ARMA
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マニュアル目次

はじめに

第1章 ARMA とは

第2章 インストール
2.1 インストールの準備
2.2 インストール
2.3 ORCAの設定
2.4 データ DVD-R/CD-R の作成
2.5 Windows 下での ARMA
  のブート CD-R の作成

2.6 ブートUSBの作成
2.7 NVIDIA ドライバの設定
2.8 AMD(ATI) ドライバの設定
2.9 無線 LAN の設定

第3章 システムの設定
3.1 管理ツール
3.2 パッケージ管理
3.3 マウントとアンマウント
3.4 デバイスファイル
3.5 ブートローダ
3.6 TCP/IPネットワーク
3.7 基本的なネットワークの設定
3.8 ssh による暗号化通信
3.9 X Window System
3.10 時刻合わせの設定

第4章 アプリケーション
4.1 ログインと基本的なコマンド
4.2 シェル
4.3 テキスト処理ツール
4.4 テキストエディタ
4.5 WWWブラウザ
4.6 電子メール
4.7 ダウンロードコマンド
4.8 音楽系ツール
4.9 DVD-RW/CD-RW の
  パケットライティング

4.10 動画再生環境の構築
4.11 システム管理上のヒント

第5章 アップグレード
5.1 ARAM2.2/2.1 から ARMA3.0
  へのアップグレード

5.2 ARMA2.1(ORCA版) から
  ARMA3.0 へのアップグレード


第6章 プレインストール
6 プレイストールのセットアップ



※プリントされた本マニュアルは
通信販売よりご購入いただけます。
(印刷はモノクロとなります。また
HTML版・オンライン版と若干バージ
ョンが異なる場合がございます。)
 
2.2 インストールの手順
 
 DVD-ROM/CD-R/USBメモリのいずれかの方法でインストーラを起動します。
 
 
 ARMA のロゴが表示され、一番下に「boot:」と表示されたら、[Enter]を押します。USB キーボードを使っている場合、環境によってはキーを押しても反応しない場合がありますが、しばらくすると自動的に先に進みます。
 ブート時のパラメータは以下のような意味になります。
 
nofb
 
 フレームバッファを使いません。インストーラでビデオの同期がとれない場合にこれを使って改善される場合があります。
 
 
nousb
 
 USB ドライバをインストールしません。Linux の USB ドライバとお持ちのハードウェアの USB デバイスに何らかの問題があってインストールを進めることができない場合はこのパラメータをお試しください。
 
 
eng
 
 英語モードでインストールを進めます。フレームバッファも jfbterm も使わないので、ビデオハードウェアがうまく同期しないときにはもっとも安全なパラメータとなります。
 
 
resq
 
 インストーラでなくレスキューシステムを起動します。レスキューはシステムのバックアップやリカバリに使用することができます。
 
 
2.2.1 キーボード設定
 
 
 
 最初にキーボードを設定します。画面のオレンジ色になっているところがカーソルで、[↑][↓]キーで動かせるので、日本語キーボードなら「JP-106/109」、英語キーボードなら「US」を選択してください。お好みで[CapsLock]と[Ctrl]を入れ替えたり、[CapsLock]もコントロールキーに割り当てて[CapsLock]と[Ctrl]の両方をコントロールキーにしたりすることもできます。
 よろしければ[Tab]でカーソルを「了解」に移動し、[Enter]を押します。
 以降の手順でもこれと同様に、カーソルを[↑][↓]で動かし、指定したら[Tab]でカーソルを「了解」や「Ok」などに合わせて[Enter]を押すという流れが基本操作になります。スキップ/キャンセルしたい時はカーソルを「スキップ」や「キャンセル」や「いいえ」に合わせて[Enter]を押すか、[F12]を押してください。
 
 
2.2.2 ARMA Net アカウントの設定
 
 ARMA を使うには ARMA Net アカウントが必要になります。
 
 
 ARMA の使用許諾書(ライセンスカード)に記載されているカスタマー ID とパスワードを入力してください。このアカウントは ARMA Net プライベートリポジトリにアクセスする際にも使われます。
 
 
2.2.3 ドライバ設定
 
 
 
 ○
 
ハードディスクから起動してしまう場合は、BIOS の起動ドライブ順の設定や、お使いの DVD-ROM ドライブや USB メモリが起動可能になっているかどうか確認してください。
 
 
 コンピュータに接続された周辺機器 (デバイス) を自動的に検出し、対応するドライバモジュールを読み込みます。「すべて自動で検出」を押して次に進んでください。
 
 
 読み込んだドライバモジュールの一覧を表示します。「了解」を押し先に進んでください。
 
 
 自動検出されなかった周辺機器のドライバも、モジュールの名前とパラメータを直接指定して読み込ませることができます。ただし、これには Linux の知識が必要になりますので、初心者の方は「いいえ」を選択してひとまずモジュール設定を終了して先に進んでください。
 
 
2.2.4 ネットワーク設定
 
 
 
 ○
 
(ドライバ)モジュールとは脱着可能なデバイスドライバのことで、接続された周辺機器をコンピュータで使えるようにするソフトウェアのことです。
 次にネットワークの設定を行います。ここでネットワークの設定をしない場合は「次へ」を選択してください。
 
 
 ARMA では ルールベースでネットワーク設定を管理します。ネットワークを使用する場合は「ルール追加」を選択してください。各ルールは以下の役割があります。
 
デバイスルール
ネットワークデバイスごとに設定をおこないます。
 
ESSID/SSIDルール
無線 LAN で使用される ESSID/SSID ごとに設定をおこないます。
 
ドメインルール
インターネットドメインごとにネットワークの設定をおこないます。
 
 
 ESSID/SSID ルールとドメインルールは全てのデバイスに対する動的なルールです。ネットワークデーモン(dynetd)がプローブによって条件を検出した場合にネットワークの設定を動的に変更します。
 
デバイスルールの設定
 
 
 
 設定をおこなうネットワークデバイスを選択します。
 
 
 ネットワーク管理者から具体的に指定された IP アドレスで LAN に参加する場合は「固定 IP」、DHCP サーバから自動的に IP アドレスを取得する場合は「DHCP」、IPv4 の設定をおこなわない場合は「IPv4なし」を選択してください。ここでは「固定 IP」を選択した場合について解説をおこないます。
 
 
 ネットワーク管理者から指定された IP アドレスとネットマスクを入力します。
 
 
 続いてゲートウェイアドレスとブロードキャストアドレスを入力します。ゲートウェイアドレスには、ブロードバンドルータなど LAN からインターネットに繋がる gateway = 「出入口」となるホストの IP アドレスを入力します。ブロードキャストアドレスは、LAN の全ホストにパケットを送るための特殊なアドレスで、殆どの場合はあらかじめ入力されている値のままで構いません。
 
 
 IPv6 を使う場合はここで「はい」を選択して下さい。「はい」の場合は IPv6 設定の後で、「いいえ」を選択した場合はデバイスルールの設定を終了します。「次へ」を選択しここで設定したルール設定を反映させます。
 
 
ESSID/SSID ルールの設定
 
 dynetd が該当する ESSID を検出した場合にルールが適用されネットワークの設定を動的に変更します。
 
 
 ここでは設定の難易度と暗号化強度のバランスに優れているという理由から「WPA-PSK」選択します。
 
 
 参加をおこなうネットワークの ESSID と事前共有鍵を入力します。
 
 
 暗号化方式を選択します。暗号化強度に優れている「AES(CCPM)のみ」を選択することを強くお勧めします。
 
 
 SSID のオプションを設定します。不明の場合は「いいえ」を選択して下さい。
 
 
 IP アドレスの設定をおこないます。ネットワーク管理者指定された IP アドレスがある場合は「固定IP」を選択し、DHCP サーバを利用して動的に IP アドレスを取得する場合は「DHCP」を選択してください。
 
 
ドメインルールの設定
 
 ドメインルールは ESSID/SSID ルールとよく似ていますが、Ethernet を対象にしたルールです。ドメインルールを設定すると該当するインターネットドメインを dynetd が検出した場合にルールが適用されます。
 
 
 ドメイン名を入力します。
 
 
 IP アドレスの設定をおこないます。ネットワーク管理者指定された IP アドレスがある場合は「固定IP」を選択し、DHCP サーバを利用して動的に IP アドレスを取得する場合は「DHCP」を選択してください。
 
 
DNS・ホスト名設定
 
 
 
 ここでは管理者から指定された DNS (ネームサーバ) の IP アドレスを入力してください。
 
 
 DNS を複数登録したり、修正したりする場合は「はい」を選択してください。「いいえ」を選択すれば DNS の設定を終わります。
 
 
 「はい」を選択した場合は、このような画面になります。DNS の登録を削除する場合は、その IP アドレスを選択してください。「追加」を選択すると、1 つめの DNS と同じように登録できます。「終了」を選択すると DNS の設定を終わります。
 DNS を複数登録したり、修正したりする場合は「はい」を選択してください。「いいえ」を選択すれば DNS の設定を終わります。
 続いてホスト名を設定します。
 
 
 ○
 
アナログモデム, ISDN, ADSL, CATV, FTTH など PPP/PPPoE 経由でインターネットに接続するだけの場合は、インストール後に PPPoE を設定しますので、ここでは「次へ」を選択してください。
 最初から入力されているホスト名は、コンピュータに割り当てた IP アドレスを DNS に逆引きで問い合わせて得られた名前です。通常はこのホスト名を使いますが、別のホスト名に変えることもできます。
 「DHCP」を選択した場合はDHCP サーバに問い合わせて、IP アドレス・ネットマスク・ゲートウェイアドレス・ブロードキャストアドレス・DNS の設定を自動的に行います。よって、手動で設定する項目は IPv6 とホスト名だけになります。それぞれの設定項目の画面は固定 IP の場合と同じです。
 
 
 ESSID/SSID ルール、もしくは ドメインルールを作成した場合は 「はい」を選択し dynetd を実行するようにします。
 
 
ネットワーク設定をキャンセルした場合
 
 ネットワークに接続しない場合でもホスト名は必要ですので、その設定だけを行います。
 
 
 
2.2.5 メディアの選択
 
 この後のインストールに使うメディアを選択します。
 
 
 DVD-ROM からインストーラを起動した方は、このまま「DVD-ROM」を選択してください。DVD-ROM にアクセスできない場合は、ARMA Net を選択してください。
 ○
 
逆引きとは、DNS (ネーム) サーバに問い合わせて IP アドレスから対応するホスト名を得ることを言います。逆にホスト名から IP アドレスを得ることは正引きと言います。
 予めハードディスクの ext2 か VFAT/NTFS (Windows 形式) のパーティションに インストール CD の内容をコピーしてある場合は、そこからインストールすることもできます。「ext2」または「VFAT」を選択して、インストール CD をコピーしたパーティションのデバイスファイル名とディレクトリ名を入力してください。
 
 
2.2.6 X の設定
 
 Linux のウィンドウシステムである X Window System (以下 X) を設定します。
 
 
 ○
 
例えば Windows の C:\ が Linux の /dev/sda1 に相当する場合、Windows で インストール CD を C:\ARMA_3.0 にコピーした場合は、ここでは /dev/sda1/ARMA_3.0 と指定します。

 ○
 
Intel i8xx 系チップセット内蔵グラフィックスをお使いの場合で、コンピュータの BIOS 設定がある場合はビデオメモリ (VRAM) の容量を 8MB 以上に設定しておくと安全です。
 コンピュータの搭載メモリが約 96MB 未満の場合は、メモリ不足のためインストール中には X を設定できないというメッセージが出力されます。ひとまず CUI でインストールを続けてください。
 メモリが十分ある場合は、「はい」を選択して X を設定し、GUI のインストーラに移ってインストールを続けることもできます。インストールの流れは CUI, GUI のどちらでも同じですので、ここで「いいえ」を選択して X を設定せずに CUI インストーラで続行することも可能です。
 
 
 「設定のテスト」を選択するとインストーラは X を起動します。設定が適切であれば次のような画面に切り替わります。
 
 
 「コンソールに戻る」をクリックするか、15 秒待つことで CUI モードに戻って、次のような画面になります。
 
 
 ○
 
メモリが 96MB 未満の場合でも、インストール完了後に管理ツール (ogl-admin) を使って X を設定できます。
「了解」を選択することで設定を保存します。「X 設定」の画面に戻りますので、この設定で十分である場合は「完了」を選択して下さい。 X が起動し、GUI でインストールを続けます。設定が不充分な場合は引き続き「X 設定」の項目の調整をおこないます。
 「ログを見る」を選択すると X の起動ログを見られます。Linux と X の経験がある方の問題解決に役立ちます。
 「X 設定」では以下の項目が設定できます。
 
デバイス検出
 
 デバイスの検出をおこないます。
 
 
スクリーンレイアウト
 
 X には、複数のディスプレイをつなげて 1 つの画面を表示させる「マルチディスプレイ」という機能があります。コンピュータに複数のディスプレイを接続している場合は、「マルチディスプレイの設定」を選択すると、次のようなディスプレイのレイアウト (並べ方) の設定画面になります。ディスプレイがひとつの場合は読み飛ばしてください。
 
 
 レイアウトを上記の中から選ぶと、次のような画面になります。ここでは「横2画面 (Xinerama)」を選んだ場合を例に説明します。
 
 
 ○
 
これ以降は、GUI インストーラの画面を対象に説明します。CUI インストーラについても流れは同じですので適宜参照してください。
 ディスプレイに接続するディスプレイコネクタを選択します。ここでは「Cirrus Logic GD544x SVGA」というのがグラフィックボード (チップ) 名です。「セカンダリ (デュアルヘッド)」と付いた方は、デュアルヘッドのグラフィックボードの 2 番目のディスプレイコネクタを表しています。シングルヘッドの場合や、デュアルヘッドでも 1 番目のコネクタを使う場合は無印の方になります。
 こうして 1 つのディスプレイの設定が終わるとまたディスプレイの選択画面に戻るので、他のディスプレイについても同様に設定してください。
 
 
 「X 設定」に各スクリーン(ディスプレイ)の解像度設定の項目が追加されるので必要に応じて設定をおこないます。
 
 
色深度設定
 
 X の色数を設定します。
 
 
 ○
 
1 枚のグラフィックボードに 2 つのディスプレイ接続用のコネクタがあることをデュアルヘッドと言います。通常の 1 つしかコネクタがないものは、デュアルヘッドに対してシングルヘッドと言います。
 24 ビット/ピクセルと 32 ビット/ピクセルは方式の違いだけで、どちらも同じ約 1680 万色の通称「フルカラー」の画面です。グラフィックチップによっては 24 と 32 の片方しか動作しなかったり、どちらも動作せず最高でも 16 ビット/ピクセル (65,536 色) や 8 ビット/ピクセル (256 色) しか使えない場合もあります。よく分からない場合は、取り敢えず 24 ビット/ピクセルを試し、うまく映らなかったら 32→16→8 の順に試してみることをお薦めします。
 
 
オプション設定
 
 ドライバ固有のオプションの設定をおこないます。
 
 
ドライバ設定
 
 グラフィックボードのドライバを選択します。
 
 
 
 ○
 
この色数の制限はグラフィックチップのハードウェア的な性能の限界による場合と、X のドライバによるソフトウェア的な制限の両方の原因があります。
 ご利用のグラフィックボードに X が対応していない場合は、この画面で vesa ドライバを選択することで改善する場合があります。
 
 
解像度設定
 
 画面解像度とリフレッシュレートを選択します。
 
 
 ○
 
この場合アクセラレーションなどのハードウェアの機能は利用されません。
ミニノートパソコンやワイドディスプレイなどで使われる横長画面の設定は 「ワイド(16:10〜16:9)」もしくは「その他のアスペクト」にあります。
 
 
周波数設定
 
 ディスプレイが対応する水平・垂直周波数を設定します。
 
 
 
 
 
2.2.7 パーティション設定
 
 ハードディスクのパーティションを切り直して ARMA/OGL をインストールする場所を確保します。パーティションについてよく分からない場合は「自動」を選択してください。
 
 
 
自動の場合
 
 現状のハードディスクのパーティション構成が示されます。
 
 
 「IDE プライマリ・マスター」などのディスク名の左隣の + マークをクリックすると - に変わってそのディスク内のパーティションが一覧表示されます。さらにパーティション名をクリックすると、クリックした行が反転し、そのパーティションを ARMA のインストールに使ってよいと選択したことになります。ARMA のインストールに必要な容量は約 1.5GB ですが、インストール後にも余裕を持って使うためには 3GB 以上選択することをお薦めします。
ARMA をインストールすると、そのパーティションの元の内容は全て上書きされて消えてしまいます。他の OS (Windows 等) や自分のデータを保存している (= 今使っている) パーティションは誤って指定しないよう注意してください。
 指定が終わったら「OK」をクリックしてください。ARMA インストーラが最適なパーティション分割を決定します。
 
 
 これでよろしければ「OK」してください。設定をやり直したい場合は「キャンセル」を選択してください。実行前にもう一度確認しますので、よろしければ「OK」してください。
 
 
メニュー設定の場合
 
 自動パーティションのときと同じようにハードディスクのパーティション構成が示されます。
 
 
 パーティション名をクリックすると、そのパーティションのファイルシステムやマウントポイントを変えたり、パーティションを削除したりするダイアログが表示されます。
 
 
 ARMA インストーラでサポートしているファイルシステムは XFS, Ext2, Ext3, Ext4, ReiserFS, JFS と Swap です。このうち、ARMA 3.0 では XFS を標準ファイルシステムとしています。
 パーティションのうちひとつは / をマウントポイントにしてください。また、スワップパーティションを有効にする場合は、マウントポイントにswapと指定してください。指定しない場合はスワップパーティションであっても使われません。
 スワップを使わなくても十分な量のメモリがあれば一応 ARMA は動きますが、多くのアプリケーションを動かすにはメモリが不足してシステムが不安定な状態に陥る可能性が高くなります。実際にコンピュータに搭載されているメモリの 2 倍程度のスワップパーティションを作ることをお薦めします。
 空領域をクリックすると、パーティションを作成するダイアログが表示されます。
 
 
 ファイルシステムのタイプにある「Extended」は拡張パーティションを表しています。拡張パーティションの中には論理パーティションを作ることができます。
 指定が終わると、マウントポイントを指定したパーティションをフォーマットしてもよいか確認します。
フォーマットすると、そのパーティションの元の内容は全て上書きされて消えてしまいます。誤って指定しないよう注意してください。
 
 
 
2.2.8 時刻設定
 
 
 
 ○
 
リフレッシュレートとは 1 秒間の画面のコマ数のことです。例えばリフレッシュレートが 60Hz ならば、1 秒間に 60 コマの画面になります。60Hz では画面がちらついて見えることがありますので、可能ならば 75Hz 以上をお薦めします。
 コンピュータがある地域に合わせてタイムゾーンを設定します。日本では一番上の「Japan」を選択してください。日本標準時 (JST) が使われます。
 
 
 ○
 
JST はグリニッジ標準時 (GMT) = 世界協定時 (UTC) から 9 時間早くなっています。(+0900)
次に、ハードウェアクロック (コンピュータの内蔵時計が示す時刻) がローカルタイム (日本標準時) を指しているかどうか設定します。コンピュータを ARMA だけで使う場合や、Windows と併用する場合はハードウェアクロック = ローカルタイムにするので、「はい」を選択してください。
 
 
 NTP サーバを使用した時刻同期の設定をおこないます。
 
 
2.2.9 電源制御
 
 コンピュータの省電力機能を設定します。
 
 
 ○
 
一部の UNIX などを使っていてハードウェアクロックをグリニッジ標準時 (GMT) に合わせている場合は「いいえ」を選択してください。
Linux 側の対応も進んでいますので、通常は「ACPI」をお薦めします。ACPI は APM よりきめ細かく電源を管理できる規格でここ数年のコンピュータではサポートされています。APM は古典的な電源管理方法で APM BIOS のサポートが必要です。近年は対応しているハードウェアも少なくなり通常はお薦めできません。
 
 
2.2.10 ブートローダのインストール
 
 
 
 ブートローダをインストールする位置を選びます。ブートローダとは ARMA や Windows などの OS を起動するためのプログラムで、通常はハードディスクの先頭にあるブートローダ専用の領域 (MBR) に書き込みます。標準では、ARMA をインストールしたハードディスクの MBR に GRUB というブートローダをインストールします。
 現在使っているブートローダを上書きしたくない場合は他の場所にインストールさせるか、「キャンセル」を選択してください。ただし、この場合はお使いのブートローダから ARMA を起動できるように設定してください。
 
 
2.2.11 カーネルインストール
 
 
 
 ○
 
コンピュータの APM, ACPI への対応状況についてはコンピュータのマニュアルを参照してください。
 ARMA ではブートローダの GRUB の機能で、あらかじめインストールしてあるカーネルの中から 1 つを起動時に選択できるようになっています。このうち、左のラジオボタンにチェックを入れたカーネルがデフォルトになります。
 通常は Linux 2.6.31.6 の標準版か SMP 版をデフォルトにします。シングルコア CPU を搭載したコンピュータでは標準版、2 個以上のコアを搭載した (デュアル・クアッドコア CPU) コンピュータでは SMP 版をお勧めします。シングルコア CPU のコンピューターでは SMP 版は通常必要ありません。この他 SMP-HighMem 版 は4GBytesより大きいメモリを認識させる必要がある場合に使用してください。
 
 
2.2.12 ブートUSBメモリ
 
 
 
 ブートUSBメモリがあると、何らかのトラブルで ARMA をハードディスクから起動できなくなった時にも、インストール時のカーネルを使って USB メモリから ARMA を起動したりレスキューを起動することができます。
 
 
2.2.13 フレームバッファの設定
 
 
 
 フレームバッファを設定するとグラフィックスやより広い画面をコンソールで扱うことができます。VESA BIOS を持つ大抵のハードウェアで使用することができますがサポートされないハードウェアもあります。
 フレームバッファがサポートされているかどうかは実際に Linux カーネルを起動してテストしてみる必要があります。インストーラでフレームバッファを設定すると、再起動後にフレームバッファの表示確認をするステップに入ります。このステップは一定時間経過してしまうとフレームバッファ設定を破棄してもう一度再起動をしますので、この設定した場合は起動直後のステップをよく確認してください。
 
 
2.2.14 再起動
 
 
 
 ○
 
シングル CPU コンピュータを SMP カーネルで起動したり、逆にデュアル CPU コンピュータを非 SMP カーネルで起動したりすることも可能です。マルチコア CPU コンピュータではトラブル発生時などに、あえてより「安全」な非 SMP カーネルを使う場合もあります。
 インストーラの前半はこれで終了です。ここで一旦コンピュータを再起動しますので、DVD-ROM や USB メモリを取り出してから「OK」してください。自動的にハードディスクからインストーラの後半が起動します。
 
 
2.2.15 ルートパスワード設定
 
 root (ルート) のパスワードを設定します。
 
 
 root は UNIX システムで管理者を表す特別なユーザで、そのシステムの中ではオールマイティです。従って、root のパスワードが漏れることはシステムの乗っ取りに直結してしまいます。また、管理者 (=あなた) が root のパスワードを忘れてしまうと、誰にもシステムが管理できなくなってしまいます。ですから、root のパスワードは管理者しか知らない、他人に容易に推測されない、しかも管理者が忘れないようなものにして慎重に取り扱ってください。
 入力中のパスワードを覗き見されないよう、ここでは入力した文字は表示されずに *** が表示されます。そのため、タイプミスがないことを同じパスワードをもう一度入力して両者が一致することで確かめています。
 
 
2.2.16 アカウントの作成
 
 
 
 ○
 
インストーラ後半がうまく起動しない場合は、コンピュータの BIOS が ARMA のブートローダ (GRUB) をインストールしたハードディスクから起動するよう設定されていることを確認してください。
 ARMA インストーラでは一般ユーザ, LDAP, NIS の 3 種類のアカウントが設定できます。ここでは一般ユーザの作り方のみを説明します。
 
 
 ログイン (ユーザ) 名・氏名・パスワードを入力します。パスワードは root のときと同じように覗き見防止のため *** で表示するので、確認のためその下にもう一度同じパスワードを入力してください。
ARMA システムを使う人間がひとりだけの場合、root で常に作業すればよいのでは? と思うかも知れませんが、それはお薦めできません。
root はオールマイティである故に、システムを破壊してしまうような操作もできてしまいます。
ずっと root でシステムを使っていると、ふとしたはずみで致命的なミスを犯してしまう可能性が大きくなってしまいます。
ですので、システムを使う人間が「あなた」だけでも、root (管理者) としての自分と一般ユーザとしての自分を分けて、普段は一般ユーザを使うことをお薦めします。
 
 
 今作ったユーザの権限を、各権限が与えられるグループに所属するかしないかで設定します。例えば audio グループに所属させておくと、そのユーザは音源デバイスにアクセスできるため xmms が動作して MP3 を聴くことができる、ということになります。
 operator グループに所属させておくと、一般ユーザでも shutdown, reboot, halt コマンドや GNOME, KDE 上からコンピュータをシャットダウンしたり再起動したりできるようになります。また staff グループに所属させておくと、/usr/local への書き込み権限が与えられます。これら 2 つの権限は他よりも強力なので慎重に設定してください。
 
 
 続けて別のユーザのアカウントを作成する場合は「はい」を選択してください。「いいえ」を選択すると最初の画面に戻りますので、もうアカウントを設定しないのであれば「OK」を押してアカウントの設定を終了します。
 
 
2.2.17 パッケージインストール
 
 
 
  パッケージソース (パッケージのインストール元) を変更するかどうか設定します。通常は「OK」を選択してください。
 
 
 インストールのタイプを選択します。通常は「標準ワークステーション」を選択してください。
 
 
 MTA は電子メールを配送するためのプログラムです。ARMA では postfix を標準にしていますが、qmail を選択することもできます。
 パッケージのインストールが始まります。完了まで数十分かかりますのでしばらくお待ちください。
 
 
2.2.18 サービス設定
 
 
 
 起動しておくサービス (サーバ・デーモン) を設定します。必要なサービスだけを選択してください。逆に、不要なサービスはチェックを外してください。無駄なサービスを起動しないでおくことは、システムが簡潔になるだけでなく、クラッカーから攻撃を受ける可能性が減り、システムをより安全に使うことができます。
 
 
2.2.19 音源設定
 
 音源 (サウンドデバイス) の音量を設定します。画面の例のように複数の音源がある場合には、モジュールを読み込む順番も決められます。
 
 
 「鳴らす」をクリックすると、音源を正しく認識できていれば電話のベルの音が聞こえます。とくにヘッドホンをお使いの場合には、大音量で耳を傷める可能性がありますので、最初から 100% などあまり大きな音量には設定しないでください。
 
 
2.2.20 追加パッケージ
 
 続いて、ライセンス等に別途同意が必要な追加パッケージをインストールします。
 
 
 「標準の追加パッケージ」もしくは「すべての追加パッケージ」を選択しインストール可能なパッケージの一覧を表示させます。ここでは「標準の追加パッケージ」を選択します。
 
 
 インストールをおこなうパッケージのチェックボックスをクリックし「OK」を選択します。パッケージによってはライセンスの説明書(使用許諾)などが表示されます。
 
 
 ライセンスに同意した上でインストールしたければ「はい」をクリックしてください。インストールしたくなければ「いいえ」をクリックしてください。同じことをインストールしたい追加パッケージについて繰り返します。
 
 
2.2.21 パッケージソースの変更
 
 パッケージソース (パッケージのインストール元) を変更するかどうか設定します。
 
 
 オモイカネでは、ARMA Net 経由で ARMA 収録パッケージのアップデートパッケージを公開しています。アップデートパッケージには機能追加的なバージョンアップ以外に、不具合 (バグ・エラッタ・セキュリティホール) への対応も含まれます。
 インストールはもう済んでいますので、この後はパッケージソースを「 ARMA 3.0 アップデート」に切り替えておくとアップデートが容易になります。
 
 
2.2.22 インストール終了
 
 
 
 これでインストールは終了です。「OK」すると再起動することなく、すぐに ARMA が使えます。お疲れさまでした。
 ○
 
LDAP, NIS をお使いになる方はネットワーク管理者に相談してください。

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