XFS の quota の有効化はマウントオプションによります。ファイルシステムのマウントオプションに quota をつけてマウントします。これは usrquota/grpquota でも構いません。またルートファイルシステムの場合はfstab で指定する他に、カーネルのブートオプションの rootflags= で指定しておく必要があります。これは ARMA では /boot/grub/menu.lst で指定することになります。ルートファイルシステムのオプションを有効化にするためにはシステムの再起動が必要です。
また管理ユティリティとして quota パッケージが必要ですので、こちらも apt-get を用いてインストールしておいてください。
2. 猶予時間の設定
猶予時間(grace time)はデフォルトでは1週間です。これを変更する場合には setquota を実行します。以下は1時間=3600秒、/mntpoint をマウントポイントとするファイルシステムの例です。
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# setquota -t 3600 3600 /mntpoint
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最初の3600はブロック、2つめはファイル数についての grace time です。
3. ユーザー毎の quota 設定
edquota を使用してユーザー毎の quota を設定します。
とするとエディタが起動します。repquota 形式のテキストを編集し、soft/hard 制限を記入します。0 のままにすると制限がない状態です。また hard limit を 0 にすると soft limit が猶予時間を過ぎても発動されませんので、soft limit のみを使う場合も hard limit に適当な大きい数値を指定してください。
quota の状態の確認
/usr/sbin/repquota -a で quota の状態を確認します。以下のような出力になります。
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# /usr/sbin/repquota -a
| *** Report for user quotas on device /dev/〜
| Block grace time: 01:00; Inode grace time: 01:00
| Block limits File limits
| User used soft hard grace used soft hard grace
| ----------------------------------------------------------------------
| foo +- 432 200 1000000 3 0 0
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repquota コマンドはユーザーからも root からも実行できます。root の場合は全員の状態を、ユーザーで実行した場合は自分の quota の状態を表示します。
以上が設定の全体となります。すでに従来の Linux VFS quota に慣れた方のために XFS quota での違いをまとめておくと以下のようになります。
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quota を有効にするための quotaon の実行は必要ありません。
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XFS quota には quota ファイルは存在しません。
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(quotactl システムコールを通じて行われます)
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quotacheck も XFS では不要です。同等のチェックは自動的におこなわれます。
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XFS の quota はアカウンティングのみをおこなうこともできます。例えば以下のようなコマンドで制限のみを停止することができます。
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# quotaoff -x enforce /mntpoint
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この状態でも repquota を使用することができます。再度有効にするには以下のようにします。
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この他の管理上の注意としては、quota 関連の日本語のマニュアルページの日本版が古くなっている点があります。以下の quota 関連の man については英語版を参照するようにしてください。
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