対応するドライブ文字列が確定したら、これをブートローダで設定します。これは直接 /boot/grub/menu.lst をエディタで編集するか、管理ツール(ogl-admin)でカーネルオプションを編集することによっておこないます。一時的にはブートローダ(grub)のコマンドライン編集によって設定することもできます。
次に /etc/modules に ide-scsi の一行を書き加えます。これで設定は終了ですので再起動してください。再起動後に以下のようなコマンドでドライブの接続を確認します。
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# cat /proc/scsi/scsi
| Attached devices:
| Host: scsi0 Channel: 00 Id: 00 Lun: 00
| Vendor: FUJITSU Model: M25-MCC3064AP Rev: 0033
| Type: Optical Device ANSI SCSI revision: 02
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「Type: Optical Device」となっているデバイスが確認できれば Ok です。
以降では Linux 内の最初の SCSI 風デバイスが MO であったとして説明をします。つまりデバイスファイル /dev/sda が MO ドライブを指すものとします。もし SCSI 風のデバイス(SCSI そのもの/IEEE1394/ATAPI)等が他にある場合は /dev/sda ではなく /dev/sdb、/dev/sdc、... といったように他の名前になっている可能性がありますのでご注意ください。
パーティショニング
どのようにパーティショニングをしファイルシステムを作成するかは用途によって異なります。例えばデータを Windows や Macintosh 機と共有せず、ディレクトリツリーごとバックアップを取る場合は ext2 が適しています。この場合はパーティションを作成する必要もないでしょう。作成した MO メディアを Windows や Macintosh 機とも共有するような場合は vfat が適しています。
いわゆる論理フォーマット済みの MO メディアはパーティショニングをし vfat のファイルシステムが作成されている状態になっていると考えてください。この論理フォーマット済みメディアを vfat のまま使用する場合は次項に進んでもかまいません。また ext2 を使用する場合はパーティションを作成せず、ファイルシステムの作成に進んでしまっても問題ありません。
ここではパーティションの作成は fdisk でおこなう例を説明します。以下で入力の必要がある箇所に「←」を記します。
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# fdisk /dev/sda ← コマンドの開始
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| 注意: セクタサイズが 2048 です (512 ではなく)
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| コマンド (m でヘルプ): p ← p を入力
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| ディスク /dev/sda: ヘッド 20, セクタ 61, シリンダ 254
| ユニット = シリンダ数 of 1220 * 2048 バイト
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| デバイス ブート 始点 終点 ブロック ID システム
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| コマンド (m でヘルプ): n ← n を入力
| コマンドアクション
| e 拡張
| p 基本領域 (1-4)
| p
| 領域番号 (1-4): 1 ← 1を入力
| 最初 シリンダ (1-254, 初期値 1): ← 改行を入力
| 初期値 1 を使います
| 終点 シリンダ または +サイズ または +サイズM または +サイズK
| (1-254, 初期値 254): ←改行を入力
| 初期値 254 を使います
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| コマンド (m でヘルプ): p ← p を入力
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| ディスク /dev/sda: ヘッド 20, セクタ 61, シリンダ 254
| ユニット = シリンダ数 of 1220 * 2048 バイト
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| デバイス ブート 始点 終点 ブロック ID システム
| /dev/sda1 1 254 619638 83 Linux
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| コマンド (m でヘルプ): t ← t を入力
| 領域番号 (1-4): 1 ← 1 を入力
| 16進数コード (L コマンドでコードリスト表示): b ← b を入力
| 領域のシステムタイプを 1 から b (Win95 FAT32) に変更しました
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| コマンド (m でヘルプ): w ← w を入力
| 領域テーブルは交換されました!
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| ioctl() を呼び出して領域テーブルを再読込みします。
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| 警告: DOS 6.x 領域を作成、または変更してしまった場合は、
| fdisk マニュアルの追加情報ページを参照してください。
| ディスクを同期させます。
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ext2 を使う場合は「t/1/b を入力」部分の作業入力は必要ありません。またそもそもパーティションの作成をおこなわなくてもかまいません。
次にファイルシステムをします。vfat を使う場合は以下のようにファイルシステムを作成します。
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# mkdosfs -S 2048 /dev/sda1
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ただし 640MB 未満の MO メディア(128MB/230MB/540MB) の場合は512バイトセクタとなりますので -S 2048 オプションは不要です。
ext2 を使う場合は以下のようにファイルシステムを作成します。
また ext2 でパーティションを切らなかった場合は以下のようにします。
以上でファイルシステムの準備ができました。以降ではパーティションを切った場合について説明しますので、切らなかった場合は sda1 をsda と読みかえてください。
マウント
ここでは MO ドライブのマウントポイントとして /mnt/mo を使用することにします。マウントポイントは root になり、mkdir コマンドで作成します。
次に /etc/fstab に登録します。vfat の場合テキストエディタを用いて以下のような1行を /etc/fstab ファイルに追加します。
/dev/sda1 /mnt/mo vfat iocharset=euc-jp,codepage=932,noauto,user 0 0
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fstab ファイルは空白文字を区切り文字としていますので、ここで iocharset から ,user までには空白を書かないように注意してください。
ext2 の場合以下のような1行を /etc/fstab ファイルに追加します。
/dev/sda1 /mnt/mo ext2 noauto,user 0 0
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ここまでできましたらあとはマウント操作を行うだけです。
マウント後は /mnt/mo 以下にディレクトリツリーとして MO のデータを読み書きすることができます。使用後は以下のように確実にアンマウントしてください。
またメディアの排出は eject コマンドでもおこなうことができます。
以上が MO の操作の一通りとなります。
パーミションについて
vfat の場合 MO 内のデータは mount を実行したユーザーの所有となります。ですので一般ユーザーで MO 内のデータを扱う場合は、書き込みをするユーザーでマウントをすることになります。ext2 にはこのような制限はないため、通常のファイルシステムと同様に chown/chmod 等のコマンドでパーミションを設定することができます。
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